そこらへんにいるアラサーのつぶやき。

口も悪いし酒癖も悪い。でも根はまじめ。日々学び。

『忠臣蔵』が純粋に美談と思えないの、私だけ…?

忠臣蔵といえば、

日本人の大半が大好物であろう、

大義 忠義の感動ものがたりの代表作の1つ。

あの作品はフィクションで1701年に実際に起きた事件がモチーフ。

 

f:id:a-0v0-888:20190302010410j:plain

吉良上野介 屋敷跡 @両国

 

 約320年前、今の兵庫県あたりにあった赤穂藩(あこうはん)に

浅野内匠頭長矩(あさの たくみのかみ ながのり)というお殿様がいた。

 

それでこのお殿が、饗応役(きょうおうやく)っていう

天皇の命で江戸に来た使者を接待する宴会部長みたいなお役につくわけです。

この役は、関ヶ原の合戦以降に徳川家に仕えた

「やっべえ乗り遅れたけど俺ら徳川さんに尽くすっす!」的な

家康家にしてみたら1番心理的に遠い大名(外様大名)が

やるような役職だったらしい。

 

しかしながら礼儀作法とか知らないだろうからってことで

指南役がつくようになっております。

 

その指南役というのが、赤穂事件の被害者である

吉良上野介

 

キラ コウズケノスケ と読む。舌噛む。

 

ちなみに二人の年齢は親子くらい離れている。

浅野内匠頭(35)

吉良上野介(60)

 

指南者とはいえ、4,500石の旗本である吉良じいに対し

赤穂藩の浅野家は53,000石なので格上です。

 

にもかかわらずこの老人がすっごい厭味ったらしいとかで

こいつ超きらいなんですけどぉぉぉぉおお!!!

っていう感じだったようです、浅野さん。

 

そしてついに事件は起きます。

江戸城内で吉良じいとすれ違った時に

 

吉良さんに斬りかかったから切腹したっつーはなし。

 (元から計画していたのか、突発的なのかは謎)

 

いやいやこわいよ。

浅井ちゃん確実にサイコパスだよ?

 

厳しく(いびり半分)指導された中堅社員が、

いきなりキレて社内で上司に暴行加えるくらいの違和感よ。

いややりすぎっしょ? っていうね。

(現代人の感覚ですが)

 

そもそもイラつく小言を言われるってことは

内匠頭も失敗をしたんだろうけども、その理由も諸説ある。

 

① 意図的に嘘などを教えられて貶められた説

  ∟ 吉良家への謝礼が少なかったから吉良じいがおこ

  ∟ 女問題で内匠頭の失脚を狙った

② 内匠頭が無能説

 

しかし、吉良を襲った理由は正確にはわかっていません。

 

とにかく、天皇の使い(勅使)が来ているにもかかわらず

江戸城内で殺傷事件を起こすというTPOわきまえなさに

将軍も激おこ。

 

その結果、

内匠頭は即日切腹そして浅野藩お取り潰し!

 

となったのに、吉良はおとがめなし。(被害者だしね)

だけど普通は

「喧嘩両成敗っしょ?」

ってことで、大石内蔵助を筆頭に

残された赤穂藩の家臣(47義士)が仇を討つ!!!

 

というのが『忠臣蔵』のメインエピソード。

 

f:id:a-0v0-888:20190302011525j:image

とはいえ、この事件の数か月後に吉良邸は移転してます。

江戸城から離れた本所の地に。

 

上野介自身は家督を譲ってからはこの屋敷に常駐せず

上杉屋敷に寝泊まりしていたそう。

 

そして、この討ち入りの際に

吉良邸にいた無関係の人たちが何人も亡くなった。

 

 

最近、「忠臣蔵の美談は嘘だった!?」みたいなコンテンツを

よく見かけるけども、

 

 

・・・そりゃそうやろ。

 

別に私は吉良贔屓なわけではないし、

内匠頭の人柄も(優れた人だったのかもしれない)

当時の状況やふたりの関係性も知らずに意見すると

 

どんな理不尽なことがあったにせよ

人に斬りかかって切腹になったというのが事実。

 

その振る舞いで藩が取り潰しになったら

困るのは明らかに残された家臣たち。

53,000石ともなると、結構な人数を雇っていたはず。

武家には、身分料ともいえる石高に応じて雇わなければいけない

 奉公人とか女郎の数が決まってた。だいたい100石あたり4人。

 

あと武士って結構借金が多いから、(武家へは利息も高い)

返済されずに困った商人も多いんじゃないかと予想。

 

私にはどうも内匠頭は一時の感情で流されたというか

ちょっとばかし浅はかだったんじゃないかなと感じる。

 

しかも、彼の切腹など処罰を決めたのは

吉良本人じゃないし。

 

吉良屋敷で殺された人たちのことを考えると

一概に美談なんて言えないじゃんって感じていたし

むしろ他にもやりようがあったかもしれないんだから

ずいぶん身勝手な印象操作してんなぁとさえ思う。

 

ただ、平和が続いた時代に

歌舞伎や浄瑠璃の題材とするには

かなりホットでキャッチーだったのは納得!

これを作品にしようとした戯作者がすごいわ~。

私も忠義ものとか歴史ロマン大好きなんだけど

なぜか忠臣蔵はそんなにしっくりこない・・・

 

でも忠臣蔵のその後を題材に描いた作品である

最後の忠臣蔵は超よかった。

嗚咽漏らすくらい泣いた。

 

役所さんマジで最高。